歯科コラム

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歯列矯正をしている時に顎関節症を併発してしまったら

歯列矯正をしている時に顎関節症を併発してしまったら
歯列矯正は、歯並びをきれいにする、審美性を高める、歯の咬合状態を正常にする治療です。実はこれら矯正治療を必要とする多くの患者さんに顎関節症の疑いがあり、場合によっては歯列矯正をしている時に顎関節症を併発することもあります。顎関節症の症状の特徴などを交えて詳しく見ていきましょう。

◆顎関節症の原因

主に不正咬合(かみ合わせが悪い)が原因です。不正咬合とは、歯の大きさの違いや、上下の顎のバランスが悪いなど先天的な原因もありますが、患者さんの普段の姿勢や無意識の癖による原因もあります。下顎は上顎にぶら下がっている状態のため、ある一定方向の力によって顎の位置が動いてしまうことがあります。頬杖をついたり、唇を巻き込んだり、寝るときに毎回同じ横向きで寝たりすると下顎の位置が動いてしまい、不正咬合になってしまう恐れがあります。

◆顎関節症のセルフチェック

顎関節症のセルフチェック
以下の項目に当てはまる場合、顎関節症の恐れがあります。歯列矯正をされている方は歯医者にご相談ください。

●口を大きく開けた際、カク!っと音が鳴る。
●大きく口をお開けることができない。
●顎の関節が痛い
●顎がまっすぐ開かない
●頭痛や肩こりがひどい

◆顎関節症の診断

歯医者での顎関節症の診断には、歯科用レントゲン・歯科用CT・MRIを撮影することで顎関節の形態などを確認します。特にMRIではレントゲンでは確認することが難しい顎の関節円盤まで確認することができ診断に有効です。

◆顎関節症の治療

顎関節の治療はスプリントという装置を使います。スプリントとは透明なマウスピースのような形をした装置で、基本的に夜睡眠時に装着するものです。スプリントは患者さんの歯の模型を作ってその模型に沿って作成します。噛み合わせが悪い場合、スプリントを調整して口腔内に装着します。スプリントは患者さんの口腔内に合わせて、プラスチック・樹脂・金属など様々な素材や大きさ形などを組み合わせて作成します。
スプリントは約2週間に1度の診察時にかみ合わせの経過を確認します。噛み合わせが良好になってきたら、スプリントを外して経過観察を行っていきます。スプリント治療で改善しない場合、口腔外科などの外科的処置が必要になってくる場合もあります。最近ではホッピングや口の周りと舌の筋肉を鍛えるMFTトレーニングを併用することで顎関節症を改善が期待できるようになってきております。

◆歯列矯正が必要な方は顎関節症になりやすい

このような方法により顎関節症は治療することができますが、普段の生活習慣を改善しない限り、再発する恐れがあります。そもそも歯列矯正が必要な方は顎関節症になりやすい咬合が多いので、歯列矯正に少しでも顎に違和感を覚えたら、すぐに歯医者へ相談をしましょう
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